臨床工学部

臨床工学部

臨床工学部の紹介

当院での業務内容は、人工透析業務、血液浄化業務、カテーテル室業務、ペースメーカー業務、手術室業務、人工呼吸管理業務、ME機器管理業務です。 2021年よりオンコール体制から夜勤体制に代わり、院内にMEが常駐するようになりました。

人工透析業務

透析室はベッド数2床3クールで、主に入院中の維持透析、透析導入を目的とした患者様の治療を行っています。また、他院で透析をされている患者の入院中の透析も行っています。2021年度より感染症対策として、病棟個室に透析水用の配管設備を設け、隔離透析が可能な設備を整えました。
臨床工学技士は、人工透析装置(コンソール)の操作、バスキュラーアクセスへの穿刺、カテーテル操作、バイタルチェック、治療終了時の血液回収、薬剤投与など行っています。また、月に一度、透析室スタッフ全員で患者様についてのカンファレンスを行い、スタッフ間の情報の共有と治療の評価をしています。
毎日、RO装置という水道水を透析用水に変換する装置の点検を行い、透析用水の水質管理も行っており治療の安全に努めております。
また、患者様のシャントトラブルの早期発見と予防のために、超音波エコー検査でのバスキュラーアクセス管理も行っています。
当院は高台に位置し、透析治療を行っている部屋から天候が良ければ、明石海峡大橋が一望できます。

血液浄化業務

CHDF(持続緩徐式血液浄化)、PE(血漿交換)、PMX(エンドトキシン吸着)、PA(血漿吸着)、DFPP(二重濾過血漿交換)、LDL吸着、LCAP(白血球吸着)、CART(腹水濾過濃縮再静注療法)など、あらゆる血液浄化療法を行っております。

アンギオ室業務

冠動脈疾患に対する造影検査(CAG)、血管内治療(PCI)の際にDr.の補助に当たるセカンド業務や、物品出し、ポリコーダ―操作などを行っています。また、血管内腔や血管径などを測定するデバイスのIVUS,OCTなどの操作、計測・解析も行っています。患者様の状態によっては、IABP(大動脈バルーンパンピング)やPCPS(経皮的心肺補助装置)の準備、接続を行い、その後の管理(点検)も実施します。
カテーテルアブレーションでは、セカンド業務の他に心内心電図解析、3Dマッピングを行っています。
また、脳血管造影、脳血栓回収、コイル塞栓術でもセカンド業務、デバイス(IVUS)操作など行っています。

ペースメーカー業務

ペースメーカー外来でペースメーカーの作動状況、電池寿命、刺激閾値、心内電位の波高値などのチェックを行っています。Dr.からの依頼で設定変更も行います。
また、患者様がご自宅に居ながらデバイスの状況を閲覧できる遠隔モニタリングも行っており、現在では100名以上のデータ管理をしています。これにより、ペースメーカー外来の頻度が減り、外来自体の時間短縮にもなるので患者様の負担軽減にもなっています。
ペースメーカー,ICD,CRT-P,CRT-DのMRI撮像にも対応しており、主に対応機種のチェック、モード変更、検査前後のチェックなど行っています。
また、ペースメーカーを植え込まれた患者様が、手術を受ける際の術前術後のチェック、設定変更等も行っております。

手術室業務

麻酔器の始業点検や整備で全身麻酔時のトラブル防止に努めています。脳外科・整形外科のOPE時には、神経術中モニタリングを行っています。神経モニタリングシステムとは、開頭手術後や腰椎固定術後の麻痺、後遺症を予防するための機器です。患者様に電気刺激を与えて出現する波形をモニタすることで、神経系の変化をいち早く察知することができます。また、2020年度よりナビゲーション業務を開始しました。ナビゲーションとは、CT・MRI画像から作成した3D画像で、術者が立体的に脳内・体内を把握することができるシステムです。これにより、さらに術中の安全をサポートしています。

人工呼吸管理業務

院内の各種人工呼吸器の使用前後と作動中に点検を行い、いつでも安全に患者様に使用していただけるよう努めています。医師の指示の下、人工呼吸器の設定や経過観察(毎日の病棟ラウンド)を行い、安全かつ効果的な呼吸療法を目指しています。マスク換気、ネーザルハイフローなどの非侵襲的換気療法も積極的に導入しています。RSTにも参加しており、定期カンファレンス、ラウンドで患者様の早期離脱を目指しています。定期的に他職種向けの勉強会を行っており、安全かつ円滑な運用を心がけています。
また、在宅呼吸器の支援も行っており、CPAPタイトレーションからCPAP遠隔モニタリング導入に至るまでをサポートしています。導入後は、毎月患者様のデータチェックを行っています。

ME機器管理業務


医療機器管理ソフト(Mims)を使用し、ME機器1台1台をPC上でカルテ管理しています。新規機器の選定から定期点検・作動点検・返却点検・廃棄・更新の検討にいたるまで管理することで、安全で適切な運用ができるように心がけています。
また、院内の機器の所在がわかるように、ME室から機器を持ち出す際には機器管理ソフトMimsで貸出、返却処理をすることで中央管理を行っています。
機器メーカーの勉強会、メンテナンス研修にも積極的に参加し、院内メンテナンスを可能にしており、コスト削減にも貢献しています。
また、新規購入機器の定期的なME機器の勉強会を開催し、スタッフが安全に機器を使用できるようサポートしています。

最後に・・・

私たち臨床工学技士は、医師や看護師、その他スタッフがストレスなく安全に医療機器を使用していただけるよう、少ない人数ではありますが、チーム医療の一員(縁の下の力持ち)として日々努力しております。これからも「MEさんがいてくれて助かった!!」と言っていただけるよう精進していきたいと思います。

臨床工学部業務実績(2021年年度)

血液浄化件数

持続緩徐式血液浄化件数

(CHDF CHD CHF ECUM)

115
アフェレシス 6

ME機器修理件数及び内訳

修理依頼件数 507
内訳 院内対応 337
メーカー修理(ME) 113
メーカー修理(放射線科)

56

ME機器点検件数

ME機器点検(返却・修理時) 4579
その他 1540
作動点検(呼吸器・麻酔器) 2673

透析業務施行件数

HD延べ件数 937
患者数 155
導入患者数 8
シャントエコー件数 10

手術室業務件数

脳神経術中モニタリング

27

整形術中モニタリング 28
ナビゲーション(脳外) 40
ナビゲーション(整形) 16

ペースメーカー業務件数

遠隔モニタリング件数 1271
PM設定変更(MRI・PMチェック含む) 70

アンギオ室業務件数

CAG・PCI 251
PM植込・体外式PM挿入 48
下肢血管造影・PTA 33
アブレーション 102
IVCフィルター・心嚢穿刺等 10
脳血管造影 56
脳血栓回収・CAS等 24

在宅呼吸器業務件数

遠隔CPAP(データ取込含む) 916
CPAPタイトレーション 17