消化器内科

内科

消化器内科

慢性肝炎・肝疾患

はじめに

肝臓の病気では、ほとんどの場合、自覚症状がないまま病気が進行するという特徴があります、自覚症状があったとしても、疲れやすい、食欲がない、体がだるいなどといった、はっきりとしない場合がほとんどです。そのため、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれます。

*一度は肝炎検査を受けて下さい!*

肝臓の病気は症状がないことがほとんどです。また、肝硬変や肝臓がんの約9割はB型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスの感染によるものです。これまで肝炎検査を受けたことがない方は、一度血液検査を受けて下さい。
神戸市内在住の方(20歳以上)で、過去に肝炎ウイルス検査を受けたことがない方は、無料で検査が可能です。

詳しくは、神戸市ホームページを参照ください。
http://www.city.kobe.lg.jp/life/health/infection/hepatitis/kanenkensa.html

<当院では、B・C型慢性肝炎に対する治療を積極的に行っております。>

C型慢性肝炎

日本における肝癌による年間死亡数は約3万人で、依然として高い水準にあります。C型肝炎が主たる発症原因であるため、それに対する治療は重要です。2013年秋より治療効果が高く副作用が少ない治療法が保険適用されるなど、治療手段は着実に進歩しており、今やC型慢性肝炎は治る時代になりました。

C型慢性肝炎とは

C型肝炎ウィルスの感染により肝臓に障害がおこる病気です。現在日本では約150万~200万人のHCV感染者がいると考えられています。放置しておくと、20-30年という長い経過のうちに肝硬変、肝がんに進行することが知られています。

C型慢性肝炎の治療は

治療方法は、肝臓の線維化の程度、血液中のウィルス量、型、年齢、全身状態などをもとに決定します。インターフェロン治療は日本では1992年からスタートし、治療成績は徐々に向上してきました。特に、難治とされるゲノタイプ1型高ウイルス量の患者の場合、最近登場したプロテアーゼ阻害薬のシメプレビルとペグインターフェロン、リバビリンによる3剤併用療法では著効(sustained virological response:SVR)率9割に達しています。
また、今後インターフェロンを用いない経口剤も発売予定ですが、薬剤耐性ウィルスなどへの配慮が必要となります。治療効果の高い薬剤の承認に伴い、これからは治療法の選択が非常に重要になってきます。著効率や副作用、治療期間、耐性変異、発癌抑制効果などに関する最新データを把握した上で、患者さんごとに望ましい治療法を適切に選択することが必要となっています。

B型慢性肝炎
B型慢性肝炎とは

B型肝炎ウィルスの感染により肝臓に障害がおこる病気です。肝癌の原因の90%はB型とC型肝炎ウィルスで、B型肝炎ウィルスは約17%を占めており、毎年5000-6000人がB型肝炎が原因の肝癌で亡くなっています。B型慢性肝炎のほとんどは母子感染です。

・B型慢性肝炎の治療は

慢性B型肝炎患者の人に持続感染しているHBVは基本的には完全排除は不可能で、IFNや核酸アナログ製剤を用いてもウイルスの完全排除は期待できません。このためHBVの治療目標はHBVDNA量を減らして、AST、 ALTを正常範囲以内に維持する、いわゆる「臨床的治癒」の状態に維持することです。これがHBVに対する治療とHCVに対する治療の根本的な違いで、この点をふまえてB型慢性肝炎の治療を行う必要があります。
HBVに対する有効な抗ウイルス薬は、IFNと核酸アナログ製剤の2剤に大きく分けられます。年齢、肝機能、ウィルス量などを考慮し治療方針を決定します。核酸アナログ製剤は有効率は高いですが、投与を中止すると肝炎が再発するため内服継続が必要となります。

*B・C型慢性肝炎に対する抗ウィルス療法(核酸アナログ製剤、インターフェロン)には、医療費助成制度が適応されます。
手続きを行えば、世帯の市町村民税課税年額に応じて、自己負担限度月額が原則1万円(上位所得階層は2万円)に軽減されます。

詳しくは、神戸市ホームページを参照ください。
http://www.city.kobe.lg.jp/life/health/infection/hepatitis/ckan02.html